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第47回 数値化されないことは、改善しにくい

中小運送会社の社長力

「デジタルタコグラフは効果がありますか?」という質問をしばしば受けます。
私から言えば効果、メリットがない訳がありません。
確実に効果、メリットはあります。
具体的には
1.ドライバーの運転指導がしやすくなる
2.拘束時間や連続運転時間などの労働時間の改善に役立つ
3.燃費の向上につなげやすい。挙げたらキリがありません。
にもかかわらず、どうして「デジタルタコグラフは効果がありますか?」という質問が出てくるのでしょうか?
それは既に導入している同業者があまり効果がない、と言っているのを鵜呑みにしているからです。
効果があまりないと思っている最大の理由はデジタルタコグラフに対する過度な期待があるからです。
要するにデジタルタコグラフを導入すれば簡単に燃費が改善し、導入費用の採算が簡単に取れる、と勘違いしているのです。
しかしどんな立派な設備や機器を購入しても、結局それを使いこなすのは「人間」です。
この「人間」が適切に設備や機器を運用できなければ、導入効果をあげることはできません。
実際、ある運送会社では既にデジタルタコグラフを導入していたのですが、一向に評価点数が上がらず、60点〓65点の間を行ったり来たりしているドライバーがゴロゴロしていました。
ところが、そのドライバーの管理者に個別指導をお願いしたところ、
一気に評価点が向上し、今では90点前後が平均となったのです。
このようにデジタルタコグラフを導入していても、
それを運用する「人間」の意識次第で、結果は天と地ほどの差になるのです。
人間は「分かりにくいこと」=「数値化されていない」ことについては、
とても鈍感になります。
それを分かりやすく、見やすくする1つの手段が「デジタルタコグラフ」です。
そして、見やすくなったデータに基づいて改善していくのが「管理者」の役割です。
デジタルタコグラフという性能のいい機器を導入しながら、
管理者のレベルも高めていく。
これがデジタルタコグラフ導入の最大の狙いです。
導入している場合には運用状況を見直して下さい。
導入していない場合には是非ご検討してみてはいかがでしょうか?
「社長、デジタルタコグラフの本当の狙いを知っていますか?」
これが今回の社長さんへの私の質問です。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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