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第48回 コツコツ派に軍配があがる「安全管理」

中小運送会社の社長力

中部運輸局は重点監査月間である昨年11月に、管内の36の運送会社に対し、
立ち入り監査を実施しました。
その結果が先日発表されました。
監査を実施したのが36社。
そのうち31社で違反が判明しました。
何と86%の運送会社に当たります。
点呼関係、乗務時間等(拘束時間、連続運転)については、
約50%の運送会社が違反していました。
点呼違反の主な原因は、深夜早朝に出発するドライバーに対する対面点呼ができないことだと考えられます。
この問題を改善する主な方法としては
1.点呼実施者の勤務交番体制を確立し、交替で深夜早朝の点呼を実施すること。
2.ドライバー同士で対面点呼が実施できるようにドライバーを「補助者」に選任すること。
この2つが基本となります。
上記1の場合、深夜早朝に出発するドライバーが少ない場合には深夜は役員が、早朝はシルバーさんを雇用して対面点呼を実施するという方法があります。
このシルバーさんを雇用して早朝の対面点呼を実施する運送会社が少しずつ増えてきました。
いずれにしても、現在の点呼実施率を向上するように少しずつでも工夫をする必要があります。
セミナーでもよくお話いたしますが、同じ点呼違反でも点呼実施率によって行政処分の重さが違います。
具体的には、
初回違反で、
未実施率20%未満の場合は「警告」、
50%未満で「車両停止10日間」、
50%以上で「車両停止20日間」となります。
このように点呼違反の改善は、実施率をいかにコツコツ上げていくように地道に改善していけるかにかかっています。
今回の重点監査で違反が発覚した運送会社は行政処分を受けることになります。
しかし、本当はこれからの改善の取り組みが非常に大切なのです。
なぜなら、今は一昔と違い、行政処分を実施した後に改善されたかどうかのフォローアップ監査が実施されるからです。
その時に、前回指摘された違反項目が改善されていない場合には「特別監査」という厳しい監査を受ける可能性もでてきます。
今回は「点呼」の改善を中心にお話しましたが、ポイントはコツコツ改善を積み重ねていくことです。
これもも中小運送会社の実力の1つです。
「点呼実施率など地道な改善を日頃から粘り強く続けていくことができていますか?」
これが今回の社長さんへの私の質問です。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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