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第9回 運輸安全マネジメント 事故原因の究明方法について

運輸安全マネジメント

今回は、前回の続きの事故原因の究明方法についてお話します。 事故を起こした時に、ドライバーと"面接"をして事故原因の究明をしなければなりません。具体的には、1.事故当日までの状態、2.運転時の状態、3.事故時の状態に分けてヒヤリングをします。 1の「事故当日までの状態」は、心理状態と健康状態の2つの観点から面接します。心理状態については?借金などの個人的な問題?夫婦喧嘩など家庭内の問題?上司との人間関係などの職場内の問題等があったかどうかを確認します。健康状態については?前日テレビの見すぎで目が疲れていなかったか?仕事が忙しく睡眠不足が続いていたか等を確認します。 2の「運転時の状態」も同じく心理状態と健康状態の2つの観点から面接します。心理状態については?信号のタイミング等自分の思い通りに走行できなかった?前方車両のブレーキランプが気になっていた等を確認します。健康状態については?長時間運転により体の一部に疲労があった?睡魔におそわれていた等を確認します。 3の「事故時の状態」は、事故直前の状況、直前の運転操作以外の行動、直前の状況認識、危険と判断した時の運転操作の4つの観点から面接します。事故直前の状況については?見通しはよく、十分先まで見えた?幅員があまりなかった等を確認します。直前の運転操作以外の行動については?考え事をしていた?物を落として取ろうとした等を確認します。直前の状況認識については?相手方を認識したが、危険ではないと判断していた?相手が譲ってくれると思っていた等を確認します。危険と判断した時の運転操作については?急ブレーキをかけた?急ハンドルを切った等を確認します。  このように、あらかじめ運転者に聞きだす項目を"チェックリスト"にしておくと、事故原因を多角的に究明することができ、再発防止策の打ち手が見えてきます。事故を起こさないのがベストですが、"起こしてしまった"事故をどれだけ深く掘り下げて、再発防止策を考え、それを実行できるかは更に重要なことです。まさに、運送会社の社長の「安全に対する姿勢」が問われる部分ですね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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