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第10回 運輸安全マネジメント 会社内の運行管理体制の問題点の究明方法について

運輸安全マネジメント

今回は、事故原因の究明手順の最後、「会社内の運行管理体制の問題点」に関する究明方法です。 大きく分けると?点呼の実施状況?過労防止?運行記録計?運転者教育等?過積載防止?適性診断?社内規程等?その他の8つの観点から問題点を洗い出します。 ?の点呼の実施状況は、"対面"点呼を実施しているかが重要です。昨年から「補助者」が点呼全体の3分の2までできることになりました。早朝深夜の点呼が必要な場合には、この「補助者制度」を上手に利用するのも一つです。過労や風邪、飲酒等についての確認・報告の有無をチェックします。 ?の過労防止では、特に「勤務・乗務時間の制定・遵守」が重要です。具体的には労働省告示基準について、1ヶ月の拘束時間、最大拘束時間、15時間超の拘束時間(1週間2回まで)、8時間以上の休息期間がとられているか、1日の運転時間は9時間以内か(2日平均)、連続運転時間(4時間)の違反はないか等をチェックします。  上記?の証拠となるのが、?の運行記録計です。さらに、運行記録計から運転者の運行の状態(スピード、急加速・急発進等)を把握します。さらに?の運転者教育として、それを有効に活用した指導や助言がなされているかをチェックします。 ?過積載防止は、過積載運行防止の指導や監督が周知徹底されているか、過積載運行はないかを運転日報の記録等でチェックします。 ?適性診断は、適性診断結果を有効に活用した助言指導がなされているか、特定運転者(事故を起こした者、初任、高齢)に対する受診状況と助言指導状況は適切かをチェックします。 ?社内規程等は、運行の安全確保のため運転者服務規定が定められ、遵守されているか、運行の安全確保に関する業務が円滑に機能するための処理基準規程が定められているか、をチェックします。 ?のその他は、健康診断による運転者の健康状態の把握、運転日報の記録・管理、運転者台帳の作成・保管、異常気象時等における措置、通行許可等の遵守、事故記録の保存、運転者の職場、家庭環境への配慮がされているか等をチェックします。 もう一度、今までの「事故原因の究明方法」の流れを復習しますと、まず、事故現場の情報を正確に集めます。次にドライバーと面接をして事故の原因を考えます。最後に会社内の運行管理体制についての問題点を考えます。 あとは、これらの事故原因を踏まえた「再発防止策」を検討し、速やかに実行するという流れになります。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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