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第12回 運輸安全マネジメント 内部監査(適合性・有効性)の概要について

運輸安全マネジメント

今回は、運輸安全マネジメントの「内部監査」の概要です。 内部監査は、「適合性」と「有効性」の監査の2種類があります。 「適合性」の監査とは、貨物自動車運送事業法等の関係法令や安全管理規程(運輸安全マネジメントに関する規定)、その他社内規程の遵守状況に関する監査のことです。 「有効性」の監査とは、安全重点施策や安全目標が達成できているかをその有効性に関する監査のことです。 実際、私がコンサルティングしている中小運送会社さんでは、「適合性」のチェックをするので精一杯です。 「有効性」に関する監査は一応しますが、時期尚早といった感じです。 まだ慣れない「運輸安全マネジメント」について、決められた手順に従って実行することですら、かなり大変です。 おそらく2、3年目経過したら、「有効性」に関するチェックも重点を置いてできるようになると思います。 ただ、現状はあまり背伸びをしないで、まず決められた手順に従って実施することを最優先してもらっています。 内部監査の実施頻度は、最低"年1回"です。 また、重大事故が発生した場合や安全管理体制が大幅に変更した場合には"その都度"実施する必要があります。 内部監査を実施する場合、監査員が自分の業務を監査することはできません。監査の公正さ・公平性に欠くからです。 ですから、例えば運行管理者に対する業務は、運行管理者以外の者(例えば整備管理者)が実施する必要があります。 一番難しいのは、"社長"に対する監査です。 社員の中で誰が、社長という猛獣に"鈴"を付けるのか!? なかなか悩ましい問題ですね。 最悪見つからなければ、外部(コンサルタント等)に委嘱するのも1つの方法です。 さらに、内部監査する監査員は適切な知識・技能を修得する必要があります。 トラック協会や自動車事故対策機構、コンサルタント等の講習を受ける必要があるでしょう。 最後に、「内部監査」を実施するに当たって、気をつけなければならないことがあります。 それは、「内部監査」を実施する意義です。 とかく「監査」というと、他人の短所を見つけ出す、というマイナスのイメージが強いです。 ですが、「内部監査」を実施する最大の理由は、交通事故の予防を含めた輸送の安全の向上を図ることです。 このことを"社長"自らが社員に対して熱く語り、「内部監査」に対して社員全員が協力的になるよう配慮することが、何よりも大切なことになります。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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