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事故時の監査で指摘される“指示事項”

ドライバーの健康管理

血圧の乗務判断基準が発表されました。

といっても、全日本トラック協会が作成したものですので法的拘束力はありません。
もちろん、医師の知見に基づいて作成されたものですので信用できる基準です。

大雑把に内容をみていきましょう。

以下、上(収縮期血圧)と下(拡張期血圧)とします。
まず、1回目の計測で上140未満かつ下90未満なら乗務OK!
基準超えの場合は5分あけて2回目の計測をし、上記数値内であれば乗務OKとなります。

逆に、乗務禁止の基準は2つ。

1つ目は、上180以上または下110以上の場合。

2つ目は、上180未満かつ下110未満の場合で、
医者にかかっていないか薬の飲み忘れ、睡眠5時間以下の“いずれか”に該当し、
次の5症状のうち2つ以上に該当した場合が乗務禁止となります。
5症状とは、めまい、頭痛、動悸、脈の乱れ、息切れです。

実務上、最も注意すべきは「条件付き乗務」となる次の3つのケースです。

1つ目は、計測2回とも、上140以上160未満かつ下90以上100未満で、
数日間、上140以上または下90以上続いている場合(毎日の血圧測定が必須)。

2つ目は、上160以上180未満かつ下100以上110未満の場合で、
通院し、処方された薬を服用して、睡眠5時間超の場合。

3つ目は、上160以上180未満かつ下100以上110未満の場合で、
医者にかかっていないか、薬の飲み忘れか、睡眠5時間以下の“いずれか”に該当し、
先ほどの5症状(めまい、頭痛、動悸、脈の乱れ、息切れ)のうち1つのみ該当した場合。

これら3つのケースに該当した場合、条件付き乗務となります。

条件とは、
1)運行中の禁煙、2)運行中の十分な休憩、3)荷扱いを慌てないことの3つです。

今後、この「条件付き乗務」が多くなるのではないでしょうか。

ここで重要なのは乗務前点呼の際の「指示事項」です。
指示事項欄に3条件を記載することが重要になります。

6月からは乗務前点呼時に
「睡眠不足により安全な運転ができないおそれの有無」
についてチェックが義務付けられます。

乗務前点呼時に「無」と判断しても、
気になるドライバーには
「少しでも眠気を感じたら安全な場所に停車し、会社に連絡して判断を求めること」
などの指示を点呼記録に残しておくことが必要になってくるのではないでしょうか。

たかが「指示事項」。
されど「指示事項」。

重大事故等の国交省の監査ではよく指摘されます。
1つ上の点呼を目指すために、ぜひとも活用したいですね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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