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ドライバー教育で一番重要なのは“雑談力”

ドライバー教育

「まじめな話ばかりしていたら、患者さんは飽きます。
 でも雑談だと患者さんの緊張が解けて本音が出ますから、
 その中から必要な情報をピックアップし「あれ、おかしいぞ」と気が付くわけです。」

ある皮膚科医の言葉です。

背中にできた老人性のイボ。
素人考えで市販薬を塗布したところ、大きく腫れ上がって痛くて眠れなくなってしまいました。
慌ててネットで近所の皮膚科を必死に検索するのですが、困ったことになかなか見つかりません。

皮膚科のクリニックがないわけではありません。
美容を全面に押し出しているところばかりなのです。
ホームページもピンクや紫、花模様など、明らかに中年男性は二の次の雰囲気。
女医が多く、プロフィール写真も
髪が長めで、化粧もバッチリ。
まるで美魔女です。
どうしても受診に行く勇気が出ません。
中年オヤジは皮膚科難民です。

やっと見つけ出した男性皮膚科医のクリニック。
「ジジイの証だね」。
治療をしながらニコニコと話す初老の先生。
医者としての専門能力は当然として、コミュニケーション能力がとても優れた方でした。

40数年近く生きていると、いろんなお医者さんにお世話になります。
その多くは親切な先生です。
それでも、たまに「えっ!」と思うこともあります。
ろくに話を聞かず、一方的に話して診察を終える医師。
自分の質問にすぐに患者が回答しないとイラつく医師。
「うん、それは分かってるよ」とタメ口で高圧的に話す医師など。

今回お会いした先生には短時間ながら、とても親身あふれる診察、治療をしてもらえました。
止血のためにベッドで横たわっていると、診察の声が少し漏れてきました。
どの患者さんに対しても同様に親身あふれる応対。
改めて「この先生でよかった」と安心しました。

冒頭の言葉は医療現場だけでなく、運送会社でも当てはまります。
「まじめな話ばかりしていたら、“ドライバー”は飽きます。
 でも雑談だと“ドライバー”の緊張が解けて本音が出ますから、
 その中から必要な情報をピックアップし「あれ、おかしいぞ」と気が付くわけです。」

雑談をするためにはドライバーに関心を持たなければなりません。
趣味、家族構成、性格、好きな食べ物など。
実に他愛のないことまで覚えていないと、ドライバーの緊張を解くような雑談はできないでしょう。
ましてや、疲労や疾病、さらには会社を辞めようと迷っているかの“本音”をキャッチすることはできません。

ドライバーの緊張を解き、本音を聞き出すための“雑談力”。
血の通った雑談こそが、運送会社の適切な安全管理には必要ですね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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