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プロドライバーのスマホ運転に対して厳しい判決

ドライバー教育

実刑2年8ヶ月。
第二審でも厳しい結果になりました。

スマホを見ながら名神高速を走行中に、5人の死傷事故を起こしたドライバーの判決。

第一審で求刑2年のところ、判決で2年8ヶ月と8ヶ月も重くなったことに対する不服でした。

「大型車両を高速道路で運転中にスマホを操作した危険極まりない行為。
一審は求刑を超えただけで、刑が重すぎて不当とは言えない」。

やはり職業ドライバーに対する判決は厳しいということでしょうか。

スマホ運転を根絶するための対策。
これはどの運送会社でも悩みのタネ。

スマホ運転が危険なこと。
起こしてしまったことに対する刑事責任が重いこと。
これらをドライバーに教育をしていることでしょう。

「言ってやってくれるなら苦労しない」。
これが運送会社側の本音です。

それに比べると飲酒運転はやりやすいです。
点呼時などで検知器を使用することで、ある程度予防できるからです。

スマホ運転の指導で大事なこと。
それは違反事実の把握です。
違反事実をドライバーに提示することができなければ、そもそも指導することができません。

車内カメラ(ドラレコ)の設置は、スマホ運転の違反事実を把握する1つの方法です。

急減速、急旋回、振動などで記録された動画を確認します。
スマホを見ていたり、会話していたりする動画が残っていたりします。

この動画をドライバーに見せて、コツコツ指導していくこと。
現時点での実務的対応の1つです。

ただ如何せん、教育だけで上手くいくことは稀です。

これだけ教育しても違反するドライバーには、痛みがあることを周知しておく必要があります。

いわゆる罰則規定です。
1、2回目までは運行管理者の教育指導。
3回目で役員や社長面接を実施する。
それでも違反があれば、安全手当を減額、支給停止。
さらに違反があれば、乗務停止する等々。

ハンズフリーならすべて大丈夫とするのか。
業務用ならハンズフリーだけは大丈夫とするのか。
社内で議論する必要があります。

安全教育の場でドライバーの意見を聞きながら、合意形成していくことが大事です。

飲酒運転は酒を嗜む限られたドライバーが対象。
そのため比較的指導しやすいです。
スマホ運転は、ほぼすべてのドライバーが教育指導対象です。

国土交通省の行政処分基準では「スマホ運転」について
飲酒運転や過労運転、無免許運転と同様の“悪質違反”に指定されていません。

増え続けるスマホ運転による重大事故。
近い将来、「悪質違反」として厳しい行政処分を課される日がくるでしょう。

スマホ運転をドライバーが自重するような社内の罰則規定。
“抑止力”として機能するかどうかが作成ポイントですね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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