運送会社は、事故トラブルの後にチャンスあり!
事故やトラブルにどんな意味を見つけ出すことができるか?
運送会社の社長にとって非常に大切な能力です。
「なんでウチだけ国交省の監査を受ける羽目になるんだ」
こんな被害者意識のままでは、せっかく監査に入られても、それを経営に活かすことができません。
プライベートでも同じです。
“たまたま行った検診”でガンが見つかり、でも、初期ガンだったために、大事には至らずに済んだ、
なんてことはよくある話。
運が悪いと思っていたことが、実は運が良かった。
もっといえば、「運がいい悪い」なんてことはすべて“その人の解釈次第”ということです。
「たまたま入られた国交省の監査」と「たまたま行った検診」は実は同じこと。
病気になるのは、日常生活(健康管理)が乱れていたから。
監査に入られるのは、日常経営(安全管理)が乱れていたから。
そう考えれば、
「病気よ、ありがとう!監査よ、ありがとう!」
と感謝さえしたくなります。
自社や自分に降りかかる、一見アンラッキーだと思える事故やトラブル、病気など。
実は、見方をかえれば、大きな改善、改革のチャンスだと気づきます。
アスリートには怪我がつきもの。
運送会社の社長にもトラブルはつきもの。
いちいち落ち込んでいるわけにはいきません。
どのようにトラブルと前向きにお付き合いができるかどうか。
人生好転、会社成長の運命の分かれ目です。
ピンチ(トラブル)の後にチャンスあり、とはアスリートの世界では常識。
ピンチの時に、自暴自棄にならず、冷静に今できることに集中する。
わずか1、2回のチャンスの到来を虎視眈々と狙いながら耐える。
いざチャンスがきたら、一気に自分の持てる力のすべてを出し切る。
一流のアスリートだけでなく、経営者も同じです。
事故、トラブル、監査の後にチャンスあり!
ただチャンスの姿をどうやら私たちは誤解しているようです。
チャンスはあくまでもボロ(事故、トラブル、失敗)をまとってやってきます。
みすみす逃さないように気をつけるべし。
重大事故やトラブルを経験して運送会社を見事に立て直した経営者を見てきて確信したこと。
それは「人間は失敗から一番学ぶことができる」ということです。
ピンチの中にチャンスを見出せるか。
せっかくのチャンスを勝手にピンチと勘違いして絶好の機会を失うか。
賢明なる読者のあなたは、果たしてどちらの生き方を選んでいるでしょうか?
記事を書いた人
和田康宏トラック運送業専門コンサルタント
1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。