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苦しい時こそ自分を面白がろう!

経営者スピリッツ

「日常っていうのはほっとくとつまらない。だから、どうやって面白くするかってことを、こっちから発信しなきゃいけない」。

日本を代表する染色家、
柚木沙弥郎(ゆのき・さみろう)氏の言葉です。
96歳の今も新作を生み出している現役アーティストです。

柚木氏は、身近にあるものから触発されて作品を生み出しています。
「近所の駐車場の地面に書いてある線や数字が面白いんだ」
という発言からもそのことがわかります。
特段おしゃれでもない近所にある駐車場の地面の数字に興味を持ち、わくわくできる。
達人の感性に脱帽です。

思うに運送業経営という“日常”も放っておくとつまらないものです。
地味な「安全管理」なら、なおさらです。

「だから、どうやって面白くするかってことを、こっちから発信しなきゃいけない」。
冒頭の柚木氏の言葉は、まるで運送経営者を諭しているかのようです。

ドライバーの安全教育しかり。
点呼のやり方。
健康診断以外の健康管理の取り組み。
トラックのデザイン。
ドライバーのユニフォーム。
休憩室の環境整備。
やる気にさせる、楽しくなるような賃金、表彰規定。
あげればキリがありません。

自社をどうやったら面白くできるか。
経営者自身が、面白がる気持ちを常に持ち続けていれば実現できます。
足りないのは「面白さ」を見出そうとするエネルギーです。

「作品(模様)を生み出すにはうれしくなるよりしょうがない。わくわくしてなきゃ。そんな状態に自分がなれなきゃ生み出せないんです」と。
「面白いなあと思って、そうするといろいろ出てくるんですよ。寝てる間に出てくるんです。夜明けに。四六時中考えていないとダメ。いろんなものがヒントになるわけ」。

プロの芸術家でもそうしているのです。
いわんやプロ経営者をや。

「お正月は何をされていますか?」
師走になるとよく聞かれる質問です。

「元旦から連載記事を書いています」と応えています。

でもまだまだ甘かった。
柚木氏のように、寝てる間、夜明けにアイデアは出てきていないからです。
2019年は4月から働き方改革がスタートしました。
管理者やドライバーに対してはどんどん労働時間を短くしていきましょう。

経営者はジャンジャン働きまくりましょう。
ONとOFFを分けているようじゃ、経営者にあらず。
分けている人に限って、がんばっていることを見せびらかそうとします。
経営者が頑張るようになったら危険な兆候です。
四六時中、仕事のことを考えているのが経営者ですから、本来、頑張る必要はありません。

「人間は老若男女みんな、特に苦しい時、自分を外から見ている自分を持って、面白がることも大切だと思う」。
96歳になっても新しい作品を生み出し続ける、円熟した芸術家から湧き出る珠玉の言葉。

働き方改革なんて、経営を知らない人間の戯言。
経営という“日常”をどれだけ楽しく、ワクワクさせることができるか。
経営者自身のワクワク度にすべて懸かっていますね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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