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叩かれることで、経営者は自分の夢を思い出そう

経営者スピリッツ

「叩かれなければ、本当に強くはならない」

日本を代表する洋画家、中川一政の言葉です。
豪快なタッチの絵が特徴の中川画伯も
“スランプ”になって絵を描くのを止めようかと真剣に思い込んだ時期がありました。

画を描く気持ちというものを、若い頃はわかっていたのに、
描いていくうちに分からなくなってしまったのです。

運送会社の創業者なら、創業した時。
後継者なら、社長に就任した時。

おそらく意気揚々と
「こんな運送会社にしたい」という気持ちになっていたのではないでしょうか。

ところがです。
経営をしていくと、いろんなアクシデントが起きます。

大事にしていた管理者、ドライバーに突然辞められる。
辞めた管理者やドライバーに自社ドライバーの引き抜きをされる。
辞めた管理者やドライバーに労基署に通報される。

いろんなことを経験することになります。
いい経験もしているはずなのですが、人の心は弱いもの。

嫌なことは心の傷として残りやすいです。
いわゆるトラウマです。

「嫌なことばかりしかなかった」という雑念と格闘する時期。
それが“スランプ”と言われる時期です。

スランプ時に、自分の精神を叩かれます。
試される、といってもよいでしょう。
「本当にお前はどんな運送会社にしたかったんだ」と。

サラリーマンは社長や上司に叩かれます。
経営者は管理者やドライバーが“辞めるという行為”で叩かれます。
面と向かって社長を罵る社員はいないからです。

経営者にとって“社員が辞めること”より多くを学べる機会はありません。
一番ダメージが大きいのが社員に辞められる時です。
「ちょっとお時間いいでしょうか?」
経営者の気持ちを萎えさせるキラーフレーズです。

「他にも誰か辞めるって言ってこないだろうか」
経営者は不安が高まると、不機嫌になります。
会社内に嫌な雰囲気が漂い始めます。

負の連鎖を断つ鍵。
それは、忘れかけていた創業時の気持ち、社長就任時の気持ちを
もう一度思い出せるかどうかです。
自分の気持ちを再び信じることができるかどうか。
スランプ時に試されるのです。

同僚が辞める中、自分のことを信じて働いてくれる管理者やドライバーもいるのです。
彼らも辞めた同僚から甘い話を持ちかけられていたかもしれません。
それでも辞めずに働き続けてくれているのです。

埃まみれで消え入りそうな創業時や社長就任時の志。

「叩かれなければ、本当に強くはならない」
中川画伯の言葉は経営者を励ます言葉ですね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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